添うが森/添わずが森(群馬県高山村)

北毛

そうがもり/そわずがもり

  • 平将門討伐のため従軍した小野俊明(廷臣)は、当地で“あわび姫”を見初めたため、出陣出来ずに終わった
  • 俊明は恥じて出家して熱退と名乗り、天慶7年(944年)一子を連れて面会を求めたあわび姫を拒絶した(悲恋伝説)
  • 悲嘆したあわび姫は「半形と なるもあわびの 片思ひ 未来は深く 添うが森せぬ」と和歌を詠んで入水した
  • 村人が憐れに思い鳥見塚を建てたが、恋愛成就の効験があり(縁結び)、一帯の叢林を“添うが森”と呼んだ(地名の由来)
  • 天延3年(975年)に熱退は死に際して鳥見塚の川向かいに塚を建てて葬るよう遺言して亡くなった
  • その後、悪縁の切れない者の枕元に熱退の幽霊が現れ、塚に祈願すれば悪縁を切ると諭した(縁切り)
  • それ以降、熱退の塚のある一帯の叢林を“添わずの森”と呼んだ

『日本の伝説27 上州の伝説』(角川書店)p.75

群馬県高山村 尻高

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