一夜作り伝説

西毛

ひともっこ山(群馬県高崎市)

ひともっこやま上野と駿河の天狗(巨人)が、どちらが一夜で高い山を造れるかを争った(一夜作り伝説)上野の天狗は榛名湖となる場所を掘って榛名富士を造ったが、途中で一番鶏が鳴いてしまった最後に運び上げた土がこぼれ落ち、榛名富士の隣に小さな小山が出...
北毛

大峰沼(群馬県みなかみ町)

おおみねぬまある長者が、田畑の水利に大峰沼の水を引いてくれる者に娘をやろうと告げると、ある若者が名乗り出た長者は魔性と疑い、娘の笄(装身具)を渡して、これを使って一晩で掘り抜くよう命じた若者が夜明け前に掘り抜きそうになったため、長者は鶏の足...
石見

蟠竜湖(島根県益田市)

ばんりゅうここの一帯に広大な田を持つ斎藤忠右衛門という長者がおり、毎年1日で田植えを済ますのが恒例であった万寿3年(1026年)、猿回しに見とれて田植えが遅れたため、長者が扇で太陽を呼び戻して済ませた(日招き伝説)その夜暴風雨と津波で田や屋...
石見

野山岳(島根県浜田市)

のやまだけ素戔嗚尊の家臣と名乗る大山祇命という巨人が糞をしたものが山となった(一夜作り伝説:糞尿譚)この伝説により、別名・大糞山(おおぐそやま)と呼ばれるそのため肥料をやらなくとも作物がよく育つとされる(作物の俗信:実際は玄武岩が土となって...
出雲

鰐淵寺 釣鐘(島根県出雲市)

がくえんじ つりがねこの寺で弁慶は18歳の時から3年間修行をしていた修行中のある日、大山にある大日寺の釣鐘を抱えて一夜で運んできたとされる(一夜作り伝説)『日本の伝説48 出雲・石見の伝説』(角川書店)p.28島根県出雲市 別所町
南薩

材木嶽(鹿児島県いちき串木野市)

ざいもくだけ冠岳の尾根にあり、山頂に柱状節理が多く見られ、積まれていた材木(用材)が一夜で石化したとされる(一夜作り伝説:化身した石)太鼓の音や歌声が聞こえる(音の怪)ことから天狗の住処と言われる『日本の伝説11 鹿児島の伝説』(角川書店)...
大隅

枇榔島(鹿児島県志布志市)

びろうじま故郷の開聞に戻った大宮姫を追って、天智天皇が崩御したと偽ってこの地に下向した(生存説)2人の間に乙姫という姫宮が生まれたが、我が子ではないとの疑念から姫宮を冷遇した悲嘆した姫宮は入水し、悲しんだ村人によって枇榔島に祀られた(子女受...
峡東

南照院 姥塚(山梨県笛吹市)

なんしょういん うばづか谷間の百合姫という大力の山姥が、巨人と競争して一夜で造った塚(一夜作り伝説)聖徳太子が甲斐国へ入った時、乗っていた愛馬が死んだため、それを葬った塚(御馬塚)『日本の伝説10 甲州の伝説』(角川書店)p.50山梨県笛吹...
佐渡

加茂湖(新潟県佐渡市)

かもこ佐渡を譲って欲しいと鬼が金北山の神に頼んだところ、一晩で山頂まで100段の階段を造るよう言った夜明け前に完成しそうになったため、99段のところで鶏がわざと鳴き、鬼は泣く泣く諦めて去ったその時鬼が土を掘り出した場所に水が溜まり、加茂湖と...
河内

叡福寺(大阪府太子町)

えいふくじ叡福寺七不思議と呼ばれるものがある御廟の周囲にある結界石は空海が一夜で築いたが(一夜作り伝説)、何度数えても数が合わない聖徳太子が母の棺を担いだ楠の棒を挿すと巨木となった(大乗木)御廟には松の木が生えない、鳥が巣を作らない、雨が降...