動物報恩譚

東毛

尾曳稲荷神社(群馬県館林市)

おびきいなりじんじゃ子狐を助けた赤井照光(戦国武将)の許へ親狐が現れ、尾を引いて城の縄張りを示した(動物報恩譚)これに基づき館林城が建設されたとされる(起源伝説)『日本の伝説27 上州の伝説』(角川書店)p.24群馬県館林市 尾曳町
峡北峡中

八右衛門出口湧水(山梨県北杜市)

はちえもんでぐちゆうすい谷戸八右衛門という者が狩りに出た時に山火事に遭い、小蛇を助けた数日後大蛇が現れ、助けて貰ったお礼に、突き刺すと水が湧く楊枝を渡した(動物報恩譚)試しに裏山に行って楊枝を挿すと水が湧き出てきた(湧水)『日本の伝説10 ...
峡北峡中

慈照寺 猫塚(山梨県甲斐市)

じしょうじ ねこづか寺が貧乏であった頃、猫に暇を出したところ、甲府の旗本(幕臣)の葬儀がおこなえるよう取り計らうと約束した甲府の旗本・渡辺某の葬儀の際、黒雲(火車)が棺桶をさらって慈照寺へ持ってきた(猫檀家:動物報恩譚)これを機に渡辺家は檀...
北摂

総持寺(大阪府茨木市)

そうじじ藤原高房(藤原氏)が任地へ赴く際、捕らえられた亀を助け、海に放った出港後、子が海に落ちた時に長谷観音へ祈願すると、助けた亀が子を背に乗せて救った(動物報恩譚)高房は観音像建立を思い立ち、唐の商人に香木を求めたが国外に持ち出せないため...
河内

久修園院(大阪府枚方市)

くしゅうおんいん藤原高房(藤原氏)が西国の任地へ赴く際、淀川(河川)のほとりで捕まえられた亀を助けてやった母は高房の幼子を殺そうと、わざと川へ落として助けを求めた(継子殺し)高房が神仏にすがろうと久修園院に伏し拝むと、子を背に乗せた亀が浮か...
河内

鈴見の松(大阪府枚方市)

すずみのまつ鈴見という男がある時傷ついた鶴を助けたが、そのすぐ後に一人の女が訪れ、いつしか一緒に住むようになった老母の死後、鈴見は女と結婚して男の子を一人もうけた(物報恩譚:異類婚姻譚)子が5歳の時に女は子を連れて山に登り、自分は天女(天人...
河内

狭山池(大阪狭山市)

さやまいけ日本最古のため池とされるこの池には雌の大蛇が棲み、夫である雄の大蛇の棲む粟ヶ池に毎夜通うため、大きな被害があったこのため狭山池に祠(現在の龍神社)を建てて、雄の大蛇を導いて一緒に住まわせた(創建伝説)種屋五兵衛という者が池畔を歩い...
和泉

葛葉稲荷神社(大阪府和泉市)

くずのはいなりじんじゃ安倍保名が助けた狐が女人となって保名の許を訪れ、やがて一子をもうけた(動物報恩譚)ある時子供の前で正体を現した狐は和歌を残して姿を消した残された子はその後才覚を現し、後の安倍晴明となった『日本の伝説8 大阪の伝説』(角...

少林寺(大阪府堺市堺区)

住職の白蔵主和尚が三足の白狐を救ってやり、狐はこの寺に棲み着いて寺の危難を救った(動物報恩譚)住職の甥が、この狐を捕らえて金儲けしようとしたところ、狐は住職に化けて説教した。甥はそれを見破って罠を仕掛け、狐は罠の油揚げをうまく取ろうと様々に...

臨江寺 曾我稲荷(大阪府堺市堺区)

りんこうじ そがいなり曾我兄弟の菩提を弔うため行脚していた虎御前が、この近くで男に襲われた富士の巻き狩りで兄弟に助けられた黒狐が、男を噛み殺して恩に報いた(動物報恩譚)臨江寺に滞在した虎御前は、黒狐を祀る稲荷を建てた(創建伝説)虎御前はさら...