喋る物

峡南

高前寺 横取りの鐘(山梨県市川三郷町)

こうぜんじ よこどりのかね鰍沢の呉服商丸屋の主人(商人)が身延山に奉納するための鐘を造り、船で運んだ高前寺下の岩に船が座礁して鐘が沈んだが(沈鐘伝説)、唸り声を発した(喋る物)ため引き上げて高前寺に奉納した『日本の伝説10 甲州の伝説』(角...
佐渡

長安寺 朝鮮鐘(新潟県佐渡市)

ちょうあんじ ちょうせんがね若狭の海から上がったとされるが、鐘をつくと「久知の長安寺へ行きたい」と言うため寄進された(喋る物)この鐘は雌鐘とされ、雄鐘が佐渡の国府川の河尻に沈んでいるため、龍王が地上に引き揚げた(沈鐘伝説)国の重要文化財『日...
奥能登

法住寺 泣き桜(石川県珠洲市)

ほうじゅうじ なきざくら空海が見附島の浜にたどり着いた時、白山の神がこの地に案内した空海が唐から投げた五鈷(金剛杵)が桜の木に引っ掛かっており、法華経を読経していた(喋る物)法住寺の裏山の墓地にある別名・吼木桜(ほえぎざくら)『日本の伝説1...
金沢

三輪神社(石川県津幡町)

みわじんじゃある時翁の面が境内の松の木に掛かっており、その面は夜になると良い声で謡曲を歌った(喋る物)沖で遭難しかかった船が、この松の木を目印にして助かったことから、地蔵が奉納された『日本の伝説12 加賀・能登の伝説』(角川書店)p.30石...
備後

ゆるぎ地蔵(広島県福山市)

ゆるぎじぞうある侍が地蔵の前で妊婦を辻斬りしたところ、赤子が産まれた侍が立ち去る間際、地蔵が揺らぎながら「わしは言わんが、われ言うな」と言った(喋る物)その後、侍が人を斬った話をしたところ、その時の赤子だった若者に話を聞かれて仇討ちされた(...
安房

小網寺 梵鐘(千葉県館山市)

こあみじ ぼんしょう弘安9年(1286年)に物部国光が鋳造した、国の重要文化財の鐘伝説では、海中より平砂浦に打ち上げられ、鐘を撞くと「小網寺へ」と聞こえたため小網寺に納めた(沈鐘伝説:喋る物)『日本の伝説6 房総の伝説』(角川書店)p.10...
上越

原山地蔵(新潟県糸魚川市)

はらやまじぞう金を盗んだ盗人が地蔵の後ろに隠そうとしたら、地蔵が声を掛けたので逃げてしまい、無事持ち主の元に戻った(喋る物)雲助が女性を襲おうとしたら、地蔵が制止する声が聞こえて、女性は助かった(神仏霊験譚)『日本の伝説41 越後の伝説』(...
高松坂出

讃岐国分寺 梵鐘(香川県高松市)

さぬきこくぶんじ ぼんしょう百々[童洞]淵の大蛇がかぶっていた鐘とされ、別子八郎(武人)によって讃岐国分寺(四国八十八ヶ所霊場)に奉納された生駒一正(大名)が気に入って城下に持ち帰ったが、「国分寺へいのう(帰ろう)」と鳴り響くため、元に戻し...
村山

慈恩寺 絵馬(山形県寒河江市)

じおんじ えま郷目右京進貞繁(絵師)が描いた、馬の絵夜ごと絵馬を抜け出して近隣の豆畑を荒らしたので、右京進に頼んで手綱を描いてもらい、外に出られなくした外に出られなくなった馬は夜ごといななき、村人は寝られなくなったという(動く絵や像:喋る物...
洛外

子安地蔵(京都市左京区)

別名《北白川の石仏》豊臣秀吉が聚楽第に運ばせた地蔵(本当は観音像らしい)夜になると「白川へ戻せ」と言い続けたので、元の場所に戻した(喋る物)近くに2体の石仏があり、合わせて「北白川の石仏」と称する『日本の伝説1 京都の伝説』(角川書店)p....