愛着執心

峡南

琴路崖・琴路の滝(山梨県早川町)

ことじがけ・ことじのたき奈良田の吾平は、仕事で出会った琴路という娘と恋仲となった琴路は毎夜はるばる奈良田まで通い続けるが、その愛着執心を怖れた吾平は、途中の一本橋に鋸を入れて細工したその夜琴路は橋が崩れ落ちて亡くなり、吾平も別の場所で身投げ...
郡内

留守ヶ岩(山梨県富士河口湖町)

るすがいわ大石村大火の復旧工事でやって来た幸右衛門という大工がおるすという娘と恋仲になった工事が終わり、対岸の村に住む幸右衛門会いたさに、おるすはたらい舟に乗って毎夜湖を渡った(愛着執心)100日目の夜は嵐で、来ないだろうと幸右衛門は目印の...
大阪

松虫塚(大阪府大阪市阿倍野区)

まつむしづか後鳥羽上皇に仕えた女官・松虫の墓と言われる謡曲『松虫』に登場する、虫の音に惹かれ命尽きた男の墓ともされる(愛着執心)『日本の伝説8 大阪の伝説』(角川書店)p.32大阪府大阪市阿倍野区 松虫通
奥能登

饒石黒髪神社(石川県輪島市)

にぎしくろかみじんじゃ船乗りの重蔵と夫婦になれず、海に身を投げて死んだお小夜を祀る社を、海の見える場所に建てた(悲恋伝説)恋しさのあまり、しばしば沖を行き交う船を止めたり、浜に引き寄せたりした(愛着執心)そのため海の見えない場所へ社を移し、...
備後

若菜峠(広島県世羅町)

わかなとうげ尾道のある商家(商人)の娘が、店の手代と恋仲となったため、親が手代を故郷の田打に帰した娘は毎夜家を抜け出して田打にある峠まで行くと、そこにある3つの池に入って大蛇に化身して夜を明かした(変身譚)後を追って蛇体を目撃した父親は、元...
下越

福島潟(新潟県新潟市北区)

ふくしまがた真野長者の一人娘のお福は、僧に懸想したが断られたため、僧を追って抱きかかえたまま紫雲寺潟へ飛び込んだ(愛着執心)お福はそのまま蛇体となり(変身譚)、しばらくその紫雲寺潟に棲み着いた享保年間に潟が埋められて棲みにくくなったので、お...
中越

諏訪神社 お光・吾作の碑(新潟県柏崎市)

すわじんじゃ おみつごさくのひ浪曲(話芸)「佐渡情話」のモデルとなった2人の墓佐渡で知り合ったお光と吾作は懇ろな仲となり、毎夜のように佐渡からお光がたらい舟に乗って訪ねてきたやがてお光の愛着に恐れをなした吾作は、目印としていた番神堂の灯火を...
豊前国東

身投げ石(大分県杵築市)

みなげいし重病の姫を救うため、殿様は薬草である黒百合の根を持参した者に嫁に出すと決めた殿様の乗る栗毛の馬が薬草を持参し、姫が全快すると小姓に化けて求婚を繰り返した(異類婚姻譚)姫が快癒祝いに宮へ参拝した帰りに、監禁された馬が小屋を破って暴れ...
日田竹田

ガニ湯(大分県竹田市)

がにゆ長湯温泉の河川沿いにある混浴露天風呂湯浴みする娘に一目惚れした、川の主の蟹は人間になりたいと願ったそれを聞いた寺の僧侶が、寺の鐘の音を100回聞けば、功徳で人間になれると諭した鐘を撞く僧侶も、湯浴みする娘を見て一目惚れ、蟹に代わって我...
最上

庭月観音(山形県鮭川村)

にわつきかんのん最上三十三観音の33番札所(札所巡り)渡し船で参拝する折、心の穢れた者は大蛇の幻影を見て、その恐ろしさから参拝できないとされた斯波氏(武家)の姫であった光姫に横恋慕した鮭川の横川大膳は、姫を拉致しようとして失敗、処刑されたそ...