泣く物

西毛

夜泣き地蔵(群馬県安中市)

よなきじぞう幕府に年貢の減免を訴えた潮藤左衛門(義民)が処刑された後、供養のために建てられた地蔵通りがかった馬子が片荷崩れを防ぐため、地蔵の首だけ馬に乗せて深谷宿まで行って捨ててしまった夜な夜な「五料へ帰りたい」と首が泣くため(泣く物)、あ...
和泉

岸の姫松(大阪府貝塚市)

きしのひめまつ貝塚市立北小学校校庭に、切り株が残る木彫りの天女像(神像)を買ったが、その像が毎夜「帰りたい」と泣く(泣く物)そして夢に現れ、自分は和泉国の浜にある松の木の精霊であり、木のある場所へ帰してほしいと頼んだ(夢告)夢で言われた、幹...

妙国寺 泣き蘇鉄(大阪府堺市堺区)

みょうこくじ なきそてつこの寺にあった蘇鉄の木は織田信長の命によって安土城に移された夜中になると「妙国寺に帰ろう」と蘇鉄が泣くため(泣く物)、信長が怖れて元の場所に戻した樹勢が落ちたため祈祷したところ、翁が現れ鉄気を根元に埋めるよう告げ、再...
備後

地蔵鼻(広島県尾道市)

じぞうはな別名・美可地蔵美可崎の砦を守る金山氏(戦国武将)が船を襲い、琴(楽器)の上手い娘を捕らえた金山氏は娘に言い寄ったが拒絶されたため、浜(浜海岸)で斬り殺した(子女受難)毎夜浜で女の泣き声と琴の音が聞こえるため(音の怪)、海岸にあった...
広島廿日市

極楽寺 涙流しの観音(広島県廿日市市)

ごくらくじ なみだながしのかんのん本尊の十一面観音像(仏像)は、両目から顎にかけて木目が目立つため、涙を流しているように見えるある者がこの観音から大力を授かると、さらに大力を願ったため、人間の欲深さに涙を流した(泣く物:怪力伝説)『日本の伝...
内房

千葉寺 戻り鐘(千葉県千葉市中央区)

せんようじ もどりがね古鐘を改鋳しようと江戸まで運ばせたが、毎夜「千葉寺、千葉寺」泣きだしたため、そのまま寺に返した(泣く物) 古鐘は江戸後期の大火によって焼けてしまって、今はない『日本の伝説6 房総の伝説』(角川書店)p.13千葉県千葉市...
村山

専称寺 夜泣き力士像(山形県山形市)

せんしょうじ よなきりきしぞう専称寺の本堂の屋根を支える四隅の束柱にある、左甚五郎作の4体の彫像夜になると本堂から抜け出して、相撲を取って遊んでいた(動く絵や像)足を釘付けされてしまい、遊びに出られなくなったため、夜ごと泣いたという(泣く物...