見るなの禁止

室戸安芸

釜ヶ谷の滝(高知県安田町)

かまがたにのたき逆瀬川にある滝なので“逆瀬釜”とも呼ばれる高知城下のある豪商は枡の大きさを変えて暴利を貪ったが、その報いで2人の娘が蛇性を帯びた(強欲の報い:子女受難)蛇体に変わりつつあった姉妹は暇を乞い、身を隠す池を求めて安田の宿まできた...
秩父

大陽寺(埼玉県秩父市)

たいようじ寺に一人の娘が住み着き、やがて住職との間に子ができた娘は子を生む際に七日間産室を覗かないよう釘を刺したが、住職は覗いて大蛇が赤子をあやしているのを見た娘は諏訪の大蛇であり、正体を知られたため赤子を残して消え去った(異類婚姻譚:見る...
川越飯能

高済寺(埼玉県東松山市)

こうさいじある女人(中将姫とも)が蓮糸(裁縫道具)で織った曼荼羅が奉納されている女人は三日三晩かけて織ったが、その際に決してその様子を見てはいけないとして籠もった(見るなの禁止)禁を破って和尚が覗くと大蛇が機織をしており、女人の姿に戻ってか...
広島廿日市

わくくり岩(広島県広島市安佐北区)

わくくりいわ峠に住む老女が旅の僧に水を施したところ、お礼に管(杼)から無尽に糸(裁縫道具)が出るまじないをした正月の着物を頼まれた老女は、その機織作業中に管の穴の中を見てしまい、糸が出なくなった(見るなの禁止)元日(正月)の朝、老女は管を手...
豊前国東

中摩殿畑山(大分県中津市)

なかまどんのはたやま麓の村に六部(巡礼六部])が宿を求め、そのお礼に八大龍王の描かれた掛け軸2本を渡した日照りの時は掛け軸を持って山へ登れば雨が降ることを教えた六部の正体は龍で、寝姿を見てしまった家人は山頂に龍を祀り、その後雨乞いをおこなっ...
置賜

鶴布山珍蔵寺(山形県南陽市)

かくふざんちんぞうじ金蔵という男が鶴を助けてやったところ、その夜、妻にして欲しいという女が訪ねてきた女はあるものを作るので7日間部屋を覗かないよう言ったが、金蔵は中を見てしまった(見るなの禁止)女の正体は鶴で、恩返し(動物報恩譚)のため自ら...