謡曲

出雲

清光院(島根県松江市)

せいこういん松風という芸者(芸者幇間)は、ある若侍に懸想されたが(横恋慕)、相手にせず避けていたある夜偶然出くわしたため逃げたが、清光院の石段で斬られ、位牌堂の入り口で事切れたその後、位牌堂入り口の階段から血が滲み出て、いくら拭いても現れた...
出雲

普門院(島根県松江市)

ふもんいん謡曲「杜若」を門前の橋で歌うと、女の幽霊が現れ怪異が起こる(禁忌)ある武家が謡をして帰宅したところ、家の門前に女が立っており、文箱(箱類)を渡すとかき消えた不審に思い開けると中に赤子の生首があり、客間に首のない我が子の死体が置かれ...
北薩

鳥追の杜(鹿児島県薩摩川内市)

とりおいのもりこの地を治めていた日暮長者は家人の口車に乗せられ妻と離縁して後妻をもらい、その後訴訟のため10数年土地を離れた夫の不在中、後妻は、先妻の2人の子に鳥追舟に乗って雀を追う役目を負わせ虐待した(継子殺し)これを知った先妻が川向こう...
峡東

遠妙寺 漁翁堂(山梨県笛吹市)

おんみょうじ りょうおうどう殺生禁断の笛吹川で鵜飼をしていた勘作という漁夫が捕らえられ、簀巻きにされて処刑された(禁を犯す)勘作の幽霊が度々現れたが、旅の僧(日蓮)が河原の石に法華経を一字ずつ書いて供養して草庵を建てた(創建伝説)この物語を...
河内

俊徳丸鏡塚(大阪府八尾市)

しゅんとくまるかがみづか謡曲「弱法師」の主人公で、山畑長者の息子で、蔭山長者の後を継いだ俊徳丸(伝承の男性)の墓所とされる実際には、古墳時代の石室『日本の伝説8 大阪の伝説』(角川書店)p88大阪府八尾市 大窪
河内

道明寺天満宮 木槵樹(大阪府藤井寺市)

どうみょうじてんまんぐう もくげんじゅ相模の僧侶・尊性が善光寺で見た夢告で、河内の土師寺のモクゲンジュ(木本)の実で数珠を作り、百万遍念仏を唱えると極楽往生できるとして訪問した当地で案内をしたのは天神の使いの白大夫で、実を振り落として尊性に...
和泉

蟻通神社(大阪府泉佐野市)

ありとおしじんじゃ紀貫之が誤って神域へ乗馬したまま入ったため、馬が倒れてしまった(罰を与える)宮守(蟻通明神の化身とも)が蟻通の名を伝えると、貫之はそれを織り込んだ和歌を詠んで神罰を免れたこの故事を題材に謡曲「蟻通」が作られた『日本の伝説8...
大阪

松虫塚(大阪府大阪市阿倍野区)

まつむしづか後鳥羽上皇に仕えた女官・松虫の墓と言われる謡曲『松虫』に登場する、虫の音に惹かれ命尽きた男の墓ともされる(愛着執心)『日本の伝説8 大阪の伝説』(角川書店)p.32大阪府大阪市阿倍野区 松虫通
大阪

江口君堂(大阪府大阪市東淀川区)

えぐちのきみどう正式名は寂光寺謡曲「江口」では、江口で遊女をしていた妙は、平資盛(平氏)の娘とされるそこへにわか雨に遭った西行が一夜の宿を請うたが断られ、和歌のやりとりをした(『新古今和歌集』収録) その後、妙は仏門に帰依して堂宇を建立した...
加賀

歌占滝(石川県白山市)

うたうらたき伊勢の神主が歌占いをしながら諸国を巡り、この滝のそばに滞在していた親を探している子供がここで歌占いをしたところ、それが神主の息子であった和歌によって対面を果たした親子の話(親子の情愛)を謡曲とした『日本の伝説12 加賀・能登の伝...