はるなこ
- 吾妻町善導寺2世円光上人(名僧)の母親(木部夫人)は、怨敵に追われる途中に寺に寄り、その足で榛名湖に入水した
- 榛名湖に大蛇が棲み着いたと聞いた上人は母の化身と悟り、位牌を湖に流した
- その位牌は箱島の湧水から流れ出てきたとされる
- 木部城主の娘であった木部姫(姫君)は、城が落ちた後に榛名湖に入水して大蛇となり、侍女は蟹になった(変身譚)
- 大蛇となった姫は血脈を求めて所縁の長年寺を訪れ(人外の悟り)、そのお礼に榛名湖に通じる井戸を境内に造った
- 武蔵国蕨城の渋川氏が滅びた時、渋川夫人は実家の木部氏を頼って上野国に逃れたが、榛名湖に入水した(落城伝説)
- 夫人は大蛇、侍女は蟹となって湖に棲み着き、蕨城下を雪や雹の害から守った
『日本の伝説27 上州の伝説』(角川書店)p.105
群馬県高崎市 榛名湖町
