天人

奈良宇陀

龍王渕(奈良県宇陀市)

りゅうおうぶち別名・沓脱池飯降淵が隆起したため出来た池目代・藤原時廉(廷臣)が夢告によって訪れると、池で2人の童子が水浴びをしていた童子(天人)は時廉に気付いて天に舞い上がったが、その時に沓(履物)を履くことが出来ず逃げてしまったこの池は善...
磯城高市

雷丘(奈良県明日香村)

いかづちのおか雄略天皇の近侍・小子部栖軽(廷臣)は、天皇と后のいる寝所に誤って入ったため、雷を捕らえる命を受けた栖軽は丘に落ちてきた雷神(天人)を捕らえて天皇に差し出し、天皇は雷神を解放した栖軽の死後、雷を捕らえたとの墓標が丘に立ち、怒った...
さいたま川口

明星院 明星の井戸(埼玉県桶川市)

みょうじょういん みょうじょうのいど夜明け頃に星が飛び、空に紫雲がたなびき、そこに天女(天人)が現れて指先から一条の光を地上に放った人々が怪光を追うと明星院の井戸に辿り着き、そこでは天女と遭遇した住職が誦経をしていたそこで人々が空を仰ぐと明...
佐渡

塗笠山(新潟県佐渡市)

ぬりかさやま神(天人)が雲の上から降り立ちこの地で遊んだが、その帰りに笠(雨具)を置き忘れたものが山となった(地形の由来)『日本の伝説9 佐渡の伝説』(角川書店)p.81新潟県佐渡市 達者
河内

鈴見の松(大阪府枚方市)

すずみのまつ鈴見という男がある時傷ついた鶴を助けたが、そのすぐ後に一人の女が訪れ、いつしか一緒に住むようになった老母の死後、鈴見は女と結婚して男の子を一人もうけた(物報恩譚:異類婚姻譚)子が5歳の時に女は子を連れて山に登り、自分は天女(天人...
東三河

羽衣の松(愛知県豊川市)

はごろものまつ天女(天人)が羽衣を松の木に掛けて豊川で水浴びをしていたところ、ある男が羽衣を奪い隠した天女は仕方なく男と結婚して男児を成したが、ある時羽衣を見つけて天に帰っていった(羽衣伝説)天女は乳の代わりに片葉の茶の実を残し、男児は成長...
北総

樹林寺 夕顔観音(千葉県香取市)

じゅりんじ ゆうがおかんのん夕顔を愛した平良文(地方豪族)は、死に際して息子に「我に会いたければ、夕顔の実を開けよ」と遺言した畑の夕顔の実を割ってみると、中から観音像(仏像)が現れた子孫の千葉常重に「この観音像を祀れ」と夢告があったため、樹...
内房

羽衣の松(千葉県千葉市中央区)

はごろものまつ天女(天人)が池に生える「千葉の蓮」を見に下りてきて、羽衣を松の木に掛けた領主の常将(地方豪族)は羽衣を隠すと、天女と夫婦となって子をもうけ、千葉の姓を帝から授かった(姓名の由来)天女は羽衣を見つけて天に帰ったが、常将が亡くな...
臼杵佐伯

解脱闇寺 雷井戸(大分県津久見市)

げだつあんじ かみなりいど解脱闇寺の境内にある雷と共に天から天人が落ちてきたが、住職が杖を庭に突き立て、それを支えに天に帰っていった翌日、助けたお礼として境内に湧水が湧いたが、それが雷井戸となったまた住職が突き立てた杖は成長して巨木となった...
村山

延沢城(山形県尾花沢市)

のべさわじょう妻であった天女(天人)の進言を受けて、延沢満重(戦国武将)が築城した敵が城に近づくと霧が立ちこめるため、霧山城と呼ばれた『日本の伝説4 出羽の伝説』(角川書店)p.66山形県尾花沢市 延沢