裁縫道具

嶺北仁淀川

住吉神社(高知県土佐町)

すみよしじんじゃ近くに住む娘が毎夜のように家を抜け出して、翌朝着物や草鞋を濡らして帰ってくるようになった家の者が着物の裾に麻糸を通した針(裁縫道具)を刺しておいて、出て行く娘の後をつけていった娘は近くの池に入りそのまま戻ってこなかったため、...
室戸安芸

唐谷の滝(高知県室戸市)

からたにのたき佐喜浜の庄屋の娘の許に夜な夜な訪れる若者があり、不審に思った娘は着物の襟に針(裁縫道具)を刺して若者を見送った針に通した糸をたどると唐谷の滝の雄滝に着き、そこで母子の大蛇が会話するのを見た(異類婚姻譚)子蛇は針を刺されて間もな...
生駒葛城

石光寺(奈良県葛城市)

せっこうじ中将姫が曼荼羅を織る際、この地に染井戸を掘って糸(裁縫道具)を五色に染め上げた役行者が仏法の栄枯を測るため植えた桜の木に、中将姫が染めた糸を掛けたとされる糸掛け桜があるこれらの故事より通称“染寺(そめでら)”とされる『日本の伝説1...
生駒葛城

當麻寺(奈良県葛城市)

たいまでら極楽浄土へ行くことを望んだ中将姫が出家し、仏の姿を見たいと願った満願の日に長谷観音の化身である老尼が現れ、蓮の糸(裁縫道具)を集め、それで曼荼羅を織るよう命じた完成させた中将姫の許に阿弥陀如来と二十五菩薩が来迎し、その様子が練供養...
磯城高市

緒環塚(奈良県桜井市)

おだまきづか三輪山近くに住んでいた活玉依姫(姫君)は毎夜訪れる若者と交わり、懐妊してしまった(異類婚姻譚)親は床に赤土を撒き、緒環(機織)の糸を針(裁縫道具)に通して男の服の裾に刺すように娘に言った翌日、赤土に足跡はなく、糸は鍵穴から抜け出...
川越飯能

高済寺(埼玉県東松山市)

こうさいじある女人(中将姫とも)が蓮糸(裁縫道具)で織った曼荼羅が奉納されている女人は三日三晩かけて織ったが、その際に決してその様子を見てはいけないとして籠もった(見るなの禁止)禁を破って和尚が覗くと大蛇が機織をしており、女人の姿に戻ってか...
河内

中将姫所縁の石塔(大阪府東大阪市)

ちゅうじょうひめゆかりのせきとうこの地にあった渕側池(現存せず)に生える蓮から取った糸(裁縫道具)を使って、中将姫が当麻寺の曼荼羅を一夜にして織り上げたとされる池があった近くに供養のための石塔が建つ『日本の伝説8 大阪の伝説』(角川書店)p...
広島廿日市

わくくり岩(広島県広島市安佐北区)

わくくりいわ峠に住む老女が旅の僧に水を施したところ、お礼に管(杼)から無尽に糸(裁縫道具)が出るまじないをした正月の着物を頼まれた老女は、その機織作業中に管の穴の中を見てしまい、糸が出なくなった(見るなの禁止)元日(正月)の朝、老女は管を手...
日田竹田

穴森神社(大分県竹田市)

あなもりじんじゃ祖母山の蛇体の神が棲む洞穴が境内にある豪族の娘の許へ毎夜訪れる若者があり、襟に針(裁縫道具)を刺してその糸をたどり、その正体を見つけた(異類婚姻譚)大蛇は死んだが、娘は身籠もっており、生まれた子が大神氏の祖先となった(生誕伝...
先島諸島

漲水御嶽(沖縄県宮古島市)

はりみずうたき天から古意角と姑依玉の2神(琉球の神)が降りて、人間を始め万物を創り出して天に戻ったとされる聖地(創世神話)平良に住む庄屋の娘が身籠もったが、相手の男の正体を探るため糸のついた針(裁縫道具)を男の服に刺した(異類婚姻譚)男の正...