長者

石見

姫逃池(島根県大田市)

ひめのがいけ近くの山賊(盗賊)の頭領が長者の娘に懸想し、長者の家を襲ったその時、娘と恋仲だった若者が助太刀に来たが、逆に返り討ちに遭った(悲恋伝説)娘は嘆き悲しみ池に入水したが、その後ほとりに咲くようになった杜若は娘の魂の化身とされた(地名...
石見

浮布池(島根県大田市)

うきぬののいけ池の原長者の娘が、この池のほとりで若者と出会い恋仲となったある武士が通りがかったところ、娘が大蛇に巻きつかれており、矢を射て撃退した(異類婚姻譚)娘は大蛇を追って池に飛び込み、やがて着物(衣類)だけが水面に浮かんできた(地名の...
北薩

鳥追の杜(鹿児島県薩摩川内市)

とりおいのもりこの地を治めていた日暮長者は家人の口車に乗せられ妻と離縁して後妻をもらい、その後訴訟のため10数年土地を離れた夫の不在中、後妻は、先妻の2人の子に鳥追舟に乗って雀を追う役目を負わせ虐待した(継子殺し)これを知った先妻が川向こう...
大隅

枇榔島(鹿児島県志布志市)

びろうじま故郷の開聞に戻った大宮姫を追って、天智天皇が崩御したと偽ってこの地に下向した(生存説)2人の間に乙姫という姫宮が生まれたが、我が子ではないとの疑念から姫宮を冷遇した悲嘆した姫宮は入水し、悲しんだ村人によって枇榔島に祀られた(子女受...
峡南

湯桶の釜(山梨県市川三郷町)

ゆおけのかま芦川のあたりを屏大尽の先祖が通りがかると、淵から老人が現れて、けさん淵にいる娘に手紙を渡すよう頼んだ手紙を見ると、この男を殺して食えとあったので、書き替えて娘に渡した娘は手紙を読むと多くの金や小判を渡してくれたので、長者になった...
郡内

仏眼寺(山梨県西桂町)

ぶつげんじかつてこの地に護満長者という者が屋敷を構えていたが、不治の病に罹り、没落していった一人娘は父のために屋敷の北西に庵室を設けて祈ったが、父親は亡くなった(長者の没落)娘はその後諸国巡礼の旅に出て、屋敷は無住となり、庵室が仏眼寺となっ...
郡内

おなん淵(山梨県都留市)

おなんぶち富家(長者)の女中だったおなんは誤って大切な皿(食器)を割って叱られ、滝壺の下の淵に身を投げて死んだその後、必要な膳椀の数を書いて淵に流すと、その分の膳椀を貸し与えた(椀貸伝説)ある時借りた膳椀の半分しか返さなかったため二度と貸し...
佐渡

犬岩(新潟県佐渡市)

いぬいわ太陽を戻した報いで没落した犬神長者は敵に襲われ佐渡から逃げ出した(長者の没落)その時に船に乗りそびれた犬と茶坊主が悲しみのあまり石となった(化身した石)『日本の伝説9 佐渡の伝説』(角川書店)p.110新潟県佐渡市 犬神平
佐渡

長者ヶ平遺跡(新潟県佐渡市)

ちょうじゃがだいらいせきかつて佐渡全域を治めるほどの勢いを持った犬神長者の屋敷跡といわれる縄文時代前期から後期の集落跡とされる遺跡広大な水田で田植えをしていたら間に合わなくなったため、長者が日を止めて田植えを終わらせた(日招き伝説)それから...
河内

俊徳丸鏡塚(大阪府八尾市)

しゅんとくまるかがみづか謡曲「弱法師」の主人公で、山畑長者の息子で、蔭山長者の後を継いだ俊徳丸(伝承の男性)の墓所とされる実際には、古墳時代の石室『日本の伝説8 大阪の伝説』(角川書店)p88大阪府八尾市 大窪