人外の悟り

磯城高市

壺阪寺(奈良県高取町)

つぼさかでら浄瑠璃(演劇)の演目「壺阪霊験記」の舞台となった寺院座頭(不具者)の沢市の妻・お里は3年間壺阪の観音へ眼病平癒を日参していたが、沢市は妻の不貞と疑っていた真相を知った沢市は共に祈願に壺阪へ行くが、満願の日に妻の労苦を思い自ら谷へ...
熊谷深谷

龍淵寺 開山坐禅石(埼玉県熊谷市)

りゅうえんじ かいざんざぜんいし開山の和庵清順(名僧)がこの石の上で坐禅をしていると龍が現れたため、引導を渡した(腰掛け石:人外の悟り)翌日になると目の前の大きな池がなくなり平地となったので、そこに寺を建立した(創建伝説)『日本の伝説18 ...
川越飯能

持明院(埼玉県所沢市)

じみょういん寺の南ある曼荼羅淵には河童が棲んでおり、夏になると人間の生き肝を他の河童に中元として贈っていた夏に淵に行く者が減り、困った河童は居合わせた馬を襲ったが、逆に捕らえられた河童は持明院の住職に説教されて改心し(人外の悟り)、人を襲わ...
西毛

慈恩寺 ▲池の薬師(群馬県神流町)

じおんじ いけのやくし薬師仏が祀られた池に夫婦の大蛇がいたが、夫が殺されため改心した雌大蛇が、里の慈恩寺で血脈を授かった(人外の悟り)そのお礼として、大蛇は住職が願えばいつでも雨を降らせることを約束した日照りが続くと慈恩寺住職に頼んで、池の...
西毛

榛名湖(群馬県高崎市)

はるなこ吾妻町善導寺2世円光上人(名僧)の母親(木部夫人)は、怨敵に追われる途中に寺に寄り、その足で榛名湖に入水した榛名湖に大蛇が棲み着いたと聞いた上人は母の化身と悟り、位牌を湖に流したその位牌は箱島の湧水から流れ出てきたとされる木部城主の...
中毛

八郎神社(群馬県伊勢崎市)

群馬郡の地頭・群馬大夫満行(地方豪族)の末子である那波八郎満胤は上野国の目代となったが、7人の兄に謀殺された遺体を蛇喰池の中島に沈めたところ怨霊が大蛇となり、兄の一族を滅ぼす激しい祟りを引き起こした時の光仁天皇が宣旨を下し、年1回一人だけの...
東毛

竜の井(群馬県館林市)

たつのい善導寺の幡随意上人(名僧)が説教しているところに妙齢の婦人が現れた婦人は城沼の龍神の妻であり、血脈を受けると、境内の井戸に入って寺を守護した(人外の悟り)『日本の伝説27 上州の伝説』(角川書店)p.25#群馬県館林市 本町
峡北峡中

清泰寺 龍肢塚(山梨県北杜市)

せいたいじ りゅうしづか?裏山に棲む悪龍が雲鷹和尚に諭され帰依した証として前脚を食い千切り、雨乞いに使うよう告げた(人外の悟り)この前脚を埋めたのが龍肢塚で、水を注ぐと雨が降るとされる(雨乞い伝説)近くの釜無川の淵で椀を貸すものがあり(椀貸...
峡北峡中

甲斐善光寺 霊牛碑(山梨県甲府市)

かいぜんこうじ れいぎゅうひ延宝6年(1678年)、江戸芝牛町で飼われていた牛が飼い主の夢に出て、甲斐善光寺へ参らせて欲しいと頼んだ(夢告)しばらくして牛は自ら逃げ出して甲斐善光寺へ行き、7日間境内に滞在した後、江戸にに戻ってきた(人外の悟...
佐渡

山居の池(新潟県佐渡市)

さんきょのいけこの池に棲む雄龍が、近くの寺に参拝に来たおせんという娘を見初め、人間に化けて近づいた2人は相思相愛となり、ある時男がその正体を告げたが、おせんは最早離れられず共に池に沈んだこの池の大蛇に雨乞いを祈願すると、雨を降らせる代わりに...